投稿者: op23602002

  • 第19回ショパン国際ピアノ・コンクール闘った13人の日本人ピアニスト

    昨年開催されたショパン国際ピアノ・コンクールでは、桑原詩織さんが第4位に入賞し、大きな話題となりましたが、本予選に進出した日本人は全員が素晴らしい演奏をされました。ワルシャワフィルハーモニーホールVIP(プレス)ルームの模様を紹介します。

    西本 裕矢 第一次予選演奏終了後

    今後のご予定を教えてください。 ―留学しているカトヴィツェ音楽院の新学期が始まったところなので、まずはしっかりと学びを深め、今後のコンクールの準備をしたいと考えています。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 色彩感豊かな表現で聴衆を魅了した

    第一次予選演奏終了後 増 修史 第一次予選演奏終了後

    今後の抱負をお聞かせください。 ―作曲家、作品へのリスペクトを忘れず一つ一つの音に誠実に向かい合いながら、これからも精進して参ります。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 映しく繊細な表現は聴衆や多くのジャーナリストから絶賛された。

    中川 優芽花 第二次予選演奏終了後

    ョパンの多様性を感じさる演奏でした、その秘訣は?

    ―できる限り楽譜に忠実に演奏することをこころがけています。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC

    湧き出る感性の豊かさと緻密な演奏で聴衆を圧倒した。

    進藤 実優 ファイナル演奏終了後

    いつも集中力の高い進藤さんですが、今回は少し聴衆が聴きやすいように余白を残しているように見受けられました。

    ―はい、その点は少し意識して弾くようにしました。

    私のように障がい(筆者は左手麻痺と高次脳機能障害の障がい者である)を持つ人々に対して、ショパンの音楽はどのように寄り添うことができると思われますか。 ―ショパンの音楽は、舞曲性や癒しのある旋律など、様々な要素で、寄り添うことができると思います。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 表現の豊かさと緻密さでファイナリストの座を勝ち取った。

    桑原 志織 第三次予選演奏終了後

    インスピレーションを得るために、ショパンの自筆譜を参考にすることはありますか?

    ―はい、もちろんです。自筆譜は作曲家がどのような演奏を望んでいるのかを知ることができる尊い資料だと思います。

    ステージでは緊張感を感じさせることなく、堂々としていて、余裕さえあるように見受けられますが、その秘訣は? ―プレッシャーは皆同じですから、自分の演奏に集中するのみです。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 終始余裕と貫禄のあるエレガントな演奏で第4位に入賞。

    牛田 智大 第三次予選演奏終了後

    前回の悔しい結果から5年経って再挑戦されました。その挑戦し続ける心の原動力はどこにあるのでしょうか? ―音楽家としての自分を肯定することだと思います。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC

    美しい音色と自然な音楽の流れで、前回よりも1ステージ前進し、セミファイナリストとなった。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 美しい音色と自然な音楽の流れで、前回よりも1ステージ前進し、セミファイナリストとなった。

  • 19回ショパン国際ピアノ・コンクール2025入賞者ガラ・コンサート記者会見

    19回ショパン国際ピアノ・コンクール2025入賞者ガラ・コンサート記者会見については、「ぶらあぼ」をはじめすでに多くの媒体、ウェブサイトでも発表されていますが、記者会見に参加させていただいた私としては、どの記事を読んでも、重要なことが文字数の事情などにより省略されているように思いました。

    ツアーはもう終わってしまいましたが、このブログで改めてご紹介させていただきます。

    ショパン・コンクールが開催されたポーランドからは、ポーランド国立フリデリク・ショパン研究所所長 アルトゥル・シュクレネル氏と、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団総裁ゾフィア・ゼンブジュスカ氏が来日、会見で挨拶した。ュクレネル所長は、前回の2021年および昨年2025年の2大会連続して、YouTubeの視聴者数が世界で日本が最も多く、日本における入賞者コンサートが、世界中で日本が最も大きな規模で充実した内容であると述べ、ワルシャワ・フィルと共演し、コンクールの雰囲気が再現されるのは日本だけであると強調した。明年2027年はコンクール100周年の記念すべき年にあたり、10月3日から世界各地で開催される記念コンサートの最初の地が東京であることを明らかにした。そして日本という国が、いかに国際的なショパン・コミュニティと音楽愛好家にとって重要な存在であるかについて言及し、。今ガラ・コンサートツアーの主催者であるジャパン・アーツへの感謝の意を表示すると共に、入賞者たちの演奏を楽しんでいただきたいと結んだ。 ゼンブジュスカ総裁は、ワルシャワ・フィルハーモニーとは、オーケストラとホールの両方のことであり、1927年のコンクール創設当初依頼、ショパン・コンクールは、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の拠点であり、歴史的建造物であるワルシャワ・フィルハーモニー・ホールにて開催されてきたこと、125年の歴史の中で、さまざまな世代の、時代を代表するピアニストの登場を目の当たりにしてきたこと、国を代表するオーケストラとしての責任について語りつつ、日本は特別な地であると述べた。各地と離国の入賞者ガラコンサートツアーは、159回目となる。日本の聴衆の音楽に対する感性、集中力、敬意に深く感謝すると述べ、ショパンの作品を素晴らしい若手のピアニスト達と同行することを光栄に思う、ワルシャワ・フィルハーモニーの伝統が、ポーランドから遠く離れた日本に伝わっていることを嬉しく思う、と、ガラ・コンサートツアーへの意気込みを熱く語った。

    昨年2025年10月にワルシャワで開催された第19回ショパン国際ピアノ・コンクールで入賞したピアニストが一堂に来日。2026年1月22日の熊本公演を皮切りに同年2月3日まで日本全国7都市8公演、韓国で開催されるショパン国際ピアノ・コンクール2025入賞者ガラ・コンサートに先立ち、駐日ポーランド共和国大使館にて来日記者会見が開催された。優勝者のエリック・ルーをはじめ、計6名が登壇した。直近のショパン・コンクールの入賞者が来日するということで注目度は高く、各社ジャーナリストが集結して会場は満席となった。会見は入賞者を称える終始和やかな雰囲気で行われた。最初にポーランド広報文化センターウルシュラ・オスミツカ所長、今ガラ・コンサートツアーの主催者であるジャパン・アーツの代表取締役社長 二瓶純一氏、ポーランド国立フリデリク・ショパン研究所所長 アルトゥル・シュクレネル氏、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団総裁ゾフィア・ゼンブジュスカ氏の順で挨拶した。注目の質疑応答では「受賞後3カ月を経て見える世界は変わったか?」、「今次回の出場者へのアドバイスは?」、「ショパンで最も好きな作品は?」、「日本のピアノに対する印象は?」などの質問が寄せられた。

    檀上右端のエリック・ルーから順に回答され、ひとりひとりが真摯な姿勢で応えつつ、時折顔を見合わせたり、微笑みあうなど、共に厳しいコンクールで戦った仲間としての意識を感じさせた。

    【質疑応答】

    • 「「受賞後3カ月を経て見える世界は変わったか?」

    ルー:私自身の人生を変えてくれたとともに、音楽的な世界観も大きく変わりました。

    チェン:ショパン・コンクールのような要求度と注目度の高いコンクールを経験したことで、これまでよりもいっそうショパンに近づくことができました。

    ワン:私の人生の大きな転機となったことは間違いありません。世界中の音楽ファンの皆様に見守られていることをひしひしと感じましたし、特に日本の視聴者の皆様のサポートに感謝しております。

    桑原: 私の人生の大きな転機となりました。この記者会見をはじめ、さまざまな機会をいただいていることに感謝しております。コンクールの前には想像もできなかったことです。

    アレクセヴィチ:私にとって大きなターニングポイントとなったことは間違いありません。。

    オン:アーティストであることがどんなに素晴らしく、そして、どれほど困難であるかをひしひしと実感しています。なぜなら、ビジネスマインドや、時には歴史等、研究者や学者並みの幅広い知識なども要求され、将来を見据えた視点も必要だということをコンクールで学びました。まさか自分がこのような立場でここに立つということは想像もしていませんでした。

    • 今次回の出場者へのアドバイスは?」

    ルー:ものすごいプレッシャーの中で自分の演奏を披露しなければならないため、精神的にキツイものです。いろいろなことを無視して音楽だけに集中することが一番だと思います。

    チェン:ショパン・コンクールは世界中から注目されており、ドキュメンタリーやインタビューなどさまざまなことがあるので、それらを踏まえて自分らしく演奏することはとても難しいことなので覚悟しておいてください。

    ワン:アドバイスを無視しろ、ということがアドバイスです(会場から笑い)。自分のことを信じて自分の音楽を奏でる、ということが第一です。

    桑原:体調管理がもっとも重要です。

    オン:アーティストであることがどんなに素晴らしく、そして、どれほど困難であるかをひしひしと実感しています。なぜなら、ビジネスマインドや、時には歴史等、研究者や学者並みの幅広い知識なども要求され、将来を見据えた視点も必要だということをコンクールで学びました。まさか自分がこのような立場でここに立つということは想像もしていませんでした。

    アレクセヴィチ:とにかく自分に忠実に、自分を信じて、自分のやっていることに確信をもっていただきたい、ということです。そうでなければ自分の個性というものを人に伝えることはできません。同じショパンの作品でも《ソナタ》と《マズルカ》の違い、前期と後期の作品の違いを明確に表現して、聴いてくださる方に自分の音楽を伝えることが重要だと思います。

    オン:常に好奇心を持つということです。人生には何が起こるかわからないので、何かチャンスがあれば、恐れずにつかむことです。どのようなことからも学ぶチャンスがあります。

  • ショパンの心臓

    ショパンの心臓”が埋まっているワルシャワ「聖十字架教会です。

  • 多田純一 音楽ライター、ショパン研究

    これまでに著書『日本人とショパン』、『日本最初のショパン弾き澤田柳吉』を出版、「月刊ショパン

    」、「音楽之友、」モーストリークラシック」、「ぶらあぼ」の各誌にて記事執筆

    ショパン作品の演奏や、ピアニストについて紹介します。