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  • ショパン国際ピアノ・コンクールの歴史

    コンクール設立の背景

    ・第一次世界大戦終戦 1918年(大正7年)、ポーランドが国家として独立を回復、グナツィ・ヤン・パデレフスキ(1860年– 1941)が首相に就任、芸術・文化省を置く。→民族意識の高揚。

    フリデリク・ショパン音楽学校教授のイェジ・ジュラヴレフJerzy Żurawlewがフランス音楽と考えられていたショパンの音楽をポーランドに取り戻して愛国心を鼓舞しようと考え、サッカーの試合をモデルにしてコンクールの創設を考案。

    ポーランド楽派の流れ

    ショパン(1810-1849)

    弟子:カロル・ミクリ(1821-1897)

    孫弟子:アレクサンデル・ミハウォフスキ

    (1851-1938)

    ・ワルシャワ音楽協会主催

    ・ショパン高等音楽院校長、ワルシャワ音楽協会会長ヴィトルド

    ・マリシェフスキが審査委委員長、ショパン高等音楽院教授を中心  

     に実行委員会・審査員が組織される。

    ショパンの孫弟子の更に弟子の世代がショパン高等音楽学校の教授に

    ショパンの孫弟子の更に弟子の世代がショパン高等音楽学校の教授に

    lユゼフ・トゥルチンスキJozéf Turczyński

    l校長ヴィトルド・マリシェフスキWitold Maliszewskiワルシャワ音楽協会会長

    lビグニェフ・ジェヴィエツキbigniew Drzewiecki

    第一回大会1927年1月第1回大会開催8か国26人参加

    ピアノ:スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、

    プレイエル

    1位 レフ・オボーリン ソ連

    2位 スタニスワフ・シュピナルスキ  ポーランド

    ドミトリー・ショスタコーヴィチが参加、入賞せず

    第2回大会1932年3月開催18か国89人参加(200人以上が応募)

    ピアノ:スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、プレイエル

    1位 アレクサンダー・ウニンスキー パリ

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    2位 イムレ・ウンガール(ハンガリー)

    3位 ボレスラフ・コン(ポーランド)https://www.youtube.com/watch?v=WvoqBE2DXuA&list=RDWvoqBE2DXuA&start_radio=1

    4位 アブラムルーフェル(ソビエト)

    3回大会アジアからはじめて原智恵子と甲斐美和が参加

    第3回大会と第4回大会の間に第二次世界大戦開戦

    1942年開催予定の第4回大会は延期

    第4回大会 1949年9月~10月(ショパン没後100周年)

    開催

    14か国 54人参加

    フィルハーモニーホールが壊滅したため、ローマ会館ホールを使用

     

    第1位ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ (ポーランド)

    第1位ベラ・ダヴィドヴィチ (ソビエト)

    第2位 バルバラ・ヘッセ=ブコフスカ (ポーランド)

    ショパン国際ピアノ・コンクールの歴史
    優勝すればスターに

    第5回大会 1955年2月~10月2月から3月にかけて開催)

    開催

    14か国 54人参加

    フィルハーモニーホール再建

    第1位 アダム・ハラシェヴィチ (ポーランド)

    第2位 ウラディーミル・アシュケナージ (ソビエト)

    第3位 ー・ツォン 中国

    第10位 田中希代子DVD『ワルシャワの覇者第27巻「アダムアダム・ハラシェヴィチ ショパンを語る」

    第6回大会 1960年2月~2月~3月にかけて開催(ショパン生誕150年)

    開催

    30か国 77人参加

    フィルハーモニーホール再建

    第1位 マウリツィオ・ポリーニ (イタリア)

    第2位 イリーナ・ザリツカヤ (ソビエト)

    日本人  小林仁 池田洋子、井内澄子

    第7回大会 1965年~10月に開催(この年から10月開催に、誕生日⇒命日)

    28か国 80人参加

    第1位 マルタ・アルゲリッチ (アルゲリッチ)

    第4位 内中村紘子 (日本)

    第8回大会 1970年から10月に開催(この年から10月開催に、誕生日⇒命日)

    28か国 80人参加

    第1位 ギャリック・オールソン (アメリカ合衆国)

    第2位 内田光子 (日本)

    第9回大会 1975年~10月に開催

    30か国 128人参加

    第1位 クリスティアン・ツィメルマン (ポーランド)

    第10回大会 1980年10月に開催

    30か国 128人参加

    第1位 ダン・タイ・ソン (ベトナム)

    第5位 海老彰子 (日本)

  • ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭

    ショパン国際ピアノ・コンクールは5年に一度であるがポーランドでは、毎年「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭が開催されている。

    ショパン国際ピアノ・コンクールの入賞者をはじめ、注目を集めるピアニストのコンサートが連日行われるので、とても楽しい。

    聖十字架教会にて

    プログラムも豪華

    2023年にケヴィン・チェンがリサイタルを行った時の看板

    終演後にインタビューし、お写真をご一緒させていただきました。

    ピリオド楽器のコンサートも多数。

    ギター編曲の《ピアノ協奏曲》も演奏。

    編曲したイェジー・ケーニッヒ氏と共に

    終演後は多くの場合にサイン会が行われる

  • 第19回ショパン国際ピアノ・コンクールオープニングコンサート

    第19回ショパン国際ピアノ・コンクールのオープニングコンサートについても書いておきたい。チケットの入手がとても難しく、全ステージの通しチケットを持っていた私も、しばらく入口のプレス用カウンターでならなかった。チケット売り場はキャンセル待ちのお客様でごった返していた。入ることが出来ただけでも幸運だった。ご尽力くださったプレス担当のアーリンクさんに心から感謝。

    、「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭のショパン・コンクール特別版のようなコンサートであった。最初は意外にも《ポロネーズ 作品40-1「軍隊」のオーケストラヴァージョン。この曲の冒頭を聴いた時点で、私は、今回は日本人にとって幸運なコンクールになるかもしれない。なぜならば、《軍隊ポロネーズ》は、日本人が日本で最初に演奏した作品であり、に日本初のショパン弾き澤田柳吉が最初にレコード録音した作品でもあるので、日本におけるショパン受容では、非常に重要な位置付けとなる作品なのである。

    ピアニストのトップバッターは、前回の覇者ブルース・リウ。作品はサンサーンスの《ピアノ協奏曲第5番

    naugural concert of the 19th Chopin Competition. The 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition will be inaugurated by four of its winners, who will perform with the Warsaw Philharmonic Orchestra conducted by Andrzej Boreyko. Bruce Liu will perform Camille Saint-Saëns’ Piano Concerto No. 5 in F major, while Yulianna Avdeeva and Garrick Ohlsson will perform Francis Poulenc’s Concerto for Two Pianos and Orchestra. Yulianna Avdeeva, Bruce Liu, Garrick Ohlsson and Dang Thai Son will meet in the Concerto for 4 Pianos by Johann Sebastian Bach. The opening gala will begin with Fryderyk Chopin’s Polonaise in A major in an orchestral version.photo by Wojciech Grzedzinski
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    wojciech.grzedzinski@gmail.com
    wojciechgrzedzinski.pl photo by Wojciech Grzedzinski
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    続いて2010年のは、、ユリアンナ・アヴデーエワと審査委員長ギャリック・オールソンによるプーランクの《2台のピアノとオーケストラのための協奏曲》

    naugural concert of the 19th Chopin Competition. The 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition will be inaugurated by four of its winners, who will perform with the Warsaw Philharmonic Orchestra conducted by Andrzej Boreyko. Bruce Liu will perform Camille Saint-Saëns’ Piano Concerto No. 5 in F major, while Yulianna Avdeeva and Garrick Ohlsson will perform Francis Poulenc’s Concerto for Two Pianos and Orchestra. Yulianna Avdeeva, Bruce Liu, Garrick Ohlsson and Dang Thai Son will meet in the Concerto for 4 Pianos by Johann Sebastian Bach. The opening gala will begin with Fryderyk Chopin’s Polonaise in A major in an orchestral version.photo by Wojciech Grzedzinski
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    最後はダン・タイソンも加わり、4台のピアノ協奏曲という豪華さ。

    素晴らしいコンサートで感動し、泣きまくった。

    naugural concert of the 19th Chopin Competition. The 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition will be inaugurated by four of its winners, who will perform with the Warsaw Philharmonic Orchestra conducted by Andrzej Boreyko. Bruce Liu will perform Camille Saint-Saëns’ Piano Concerto No. 5 in F major, while Yulianna Avdeeva and Garrick Ohlsson will perform Francis Poulenc’s Concerto for Two Pianos and Orchestra. Yulianna Avdeeva, Bruce Liu, Garrick Ohlsson and Dang Thai Son will meet in the Concerto for 4 Pianos by Johann Sebastian Bach. The opening gala will begin with Fryderyk Chopin’s Polonaise in A major in an orchestral version.photo by Wojciech Grzedzinski
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  • 波瀾の連続だった第19回ショパン国際ピアノ・コンクール

    大きな話題となった第19回ショパン国際ピアノ・コンクール

    10月の本大会までは波瀾の連続であった。

    まず、上位入賞が期待された亀井聖矢が予備予選敗退。

    同じく上位入賞が予想されていた

    イム・ユンチャンがエントリしなかった。

    エントリーしないと噂されていた

    桑原詩織が規定の変更により急遽参戦した。

    Shiori Kuwahara performs during the 1st stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 5th of October, 2025.
    Photo by Wojciech Grzedzinski for NIFC1

    Shiori Kuwahara performs during the 1st stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 5th of October, 2025.
    Photo by Wojciech Grzedzinski for NIFC

    そして、2015年に第4位入賞のエリック・ルーが

    参戦したことで、優勝候補はケヴィン・チェン一択と予想されていたが、優勝候補が2人に増えた。実質一騎打ちだったと言える。結果はコントロールと自分の見せ方を熟知していたルーの優勝。納得の結果である。

    ケヴィン・チェンの演奏は素晴らしく、早速話題を呼んだ。

    《エチュード》作品10のあまりにも速いテンポは、世界中の視聴者を驚かせたのだった。

    Kevin Chen performs during the


    1st stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 4th of October, 2025.
    Photo by Krzysztof Szlezak for NIFC
    Eric Lu performs during the 1st stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 6th of October, 2025.
    Photo by Krzysztof Szlezak for NIFC

    さらにティアンヤオ・リュウのようなキャラクターで人気を得つつ、演奏も素晴らしいというスター性のあるピアニストも登場し、高い評価を得た。

    Tianyao Lyu performs during the 1st stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 6th of October, 2025.
    Photo by Krzysztof Szlezak for NIFC2
    Tomoharu Ushida performs during the 1st stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 3rd of October, 2025.
    Photo by Krzysztof Szlezak for NIFC3

    牛田智大はファイナルまであと一歩というところまで進み、

    ついに日本人優勝者が誕生するのでは、とファンの期待を高めた。

    前回セミファイナルに進出し、高い集中力と、抜群の抒情性で人気を得た

    進藤 実優は、ファイナリストとなった

    Miyu Shindo performs during the 2nd stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 12th of October, 2025.
    Photo by Krzysztof Szlezak for NIFC4Miyu Shindo performs during the 2nd stage of the 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw Philharmonic Hall, Poland, 12th of October, 2025.
    Photo by Krzysztof Szlezak for NIFC

    ショパンコンクールへの日本人の貢献度は、参加ピアニスト、聴衆の多さ、配信への視聴数の多さ、どの角度から見ても非常に高い。

    これだけ貢献しているのだから、その貢献度も評価して欲しものである。中国人では、リ・ユンディ、韓国人ではチョ・ソンジンが優勝している。

    第一次予選で敗退した10名の日本人ピアニストは全員が卓越したテクニックと充分な抒情性と適度な個性を表現し、コンクールのレベルそのものを押し上げたと言っても過言ではない。

    次回230年は、ショパンコンクール創設100周年記念にあたる。時間十分、時は整った。

    もしかすると、その次回こそ日本人が優勝する時なのかもしれない。

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  • 第19回ショパン国際ピアノ・コンクール審ジョン・リンク審査員

    ファイナルの最終日翌日に審査員のジョン・リンク先生にお会いすることができました。

    お疲れ様のところ貴重な時間を割いてくさり、ウェデルというチョコレート屋さんでお茶を飲みながらゆっくり会話することができました。

    リンク先生が取材として「オフィシャル」にしても良いと言ってくださった内容は、雑誌「モーストリークラシック」に書かせていただきました。

    是非ご一読ください。

  • 第19回ショパン国際ピアノ・コンクール審査員児玉桃氏インタビュー

    日本人審査員の一人である児玉桃先生にインタビューしました。

    ・ショパンコンクールの審査員は初めてですが、いかがですか?

    タフなコンクールと聞いていたが想像以上にたいへんです。長い時間集中力を蓄えるために体力の管理をしっかりして、昼休みには横になり体を休めて、ひとつひとつしっかり聴かせていただきました。

    ・いくつかの国際コンクールで審査員を務めて来られましたが、レベルを含めショパンコンクールならではと感じたことはありますか?

    注目度が高い事です。テレビや動画配信など、本当に他にないほどに注目度が高いと感じました。5年に一度しか行われず、開催が待ち遠しく良い意味での緊張感があります。舞台にたったピアニストがどれだけプレッシャーを背負って舞台に上がって演奏したのかを思うと、とてもリスペクトすべきものだと思います。今後クラシック世界を背負っていく若いピアニスト達が、たくましいと感じました。

    ・ご自身がショパンコンクールを受けたときの思い出は?

    1990年に18歳で参加しました。参加する以前にはエピナル国際ピアノコンクールで優勝しておりましたが、ここまで大きいコンクールは初めてでした。その当時は動画配信もなかったと記憶しています。バラード1曲なら3曲を練習しましたし、若いときにはそうした準備の時間がありました。私の中で大きなストーンになっており、ある意味ではスタートポイントでした。当時、ラジオでは配信されており、イヴァン・クランスキがそのあとチェコに呼んでくださったり、アントニンや、ショパン協会に呼んでいただいたり、それから35年後にこうして審査員として呼んでいただいて、ケヴィン・ケナーが2位のときで、アシュケナージ審査員にいて、たくさんの出会いがあります。

    ・審査の雰囲気を教えて

    みなさんもちろん独自のお考えがあり、特にショパンはいろんな捉え方があって、若いピアニストたちもいろんな解釈があって、幸いなことにひとつではなくいろんな意見があって、あまり話し合いはしない、とてもなごやかな雰囲気です。

    ・採点方式が変わって、そのことについては?

    前の方式よりもよかれと思って、いろんな研究をして変えた方式だと思うので、結果が出てみないとわかりません。

    ・点数をつけるのに困難は感じますか?

    個人的には常に困難です。それが総合点が出て、いろいろ計算されていきます。

    ・点数を遡ってつけ直すこと、つけ直したくなることはあるか?

    思ったときの率直なことでその瞬間で点数をつける。いろんなことを研究なさってこういう方式になったと思うので。

    ・審査のときにどこにいちばん重きを置きましたか?

    順位をつけないといけないわけで、前に聴いた人のことを忘れて、いまの人に集中して点数をつける。その人の表現したいこと、個性を評価するようにした。経歴とかナショナリティとかなしに、本当に音楽だけに集中するようにいたしましたので、音楽がショパンらしいとかショパンのスタイルからはずれているとか、もちろん作曲家によってそれぞれ違うのですが、ショパンがもし生きていたらどんな演奏に興味を持ったか、わからないわけで、弟子から見たショパンみたいに、日本のお能の口伝みたいに、いま生きている作曲家とやるときには、作曲家の意見を聴くとああそういう演奏もあったのね、と別のことを思うこともあるし、わからないんですね。自分が思うためには先生の意見や自分の本からの勉強など、それをプレッシャーの中で力を出し、自分の音楽を出す、どういうことを考えてこういう演奏になるのか、率直に出し切れていないかな、と思うこともあるが、それら何月何日の演奏に過ぎないし、生きた音楽の素晴らしさでもあるが、コンクールはそのときに出しきらないといけない、長い目でいろんなひとりひとりの思い、いいとか悪いとかより、ひとりひとりの思いを長い目で見たいと思って聴いています。

    ・若いピアニストの印象は?

    詩的、ショパンはピアノの詩人、詩はただのドリーミーではなくて詩はパッシブだけでなくこちらから求めていくものでもある。

    ・ポエジーな人が多いという印象か?

    多いとは思わない、若い人に聞いてみたい。創造というのはひとりひとり違いがあるべきだと思う。

    ・日本人の参加者の演奏の印象は?

    ひとりひとり個性があって嬉しく拝見。若いときから外国にいますが、わたくしのルーツは日本にありますので、ひとりひとりの強い個性を持った、1次からそう思った、独自の思い切った演奏。

    ・今回アジア系のピアニストが多いが、ヨーロッパ系とアジア系の違いは感じる?

    アジア系ではないように演奏するとか、小澤征爾さんや内田光子さんの時代はあったのだと思いますが、いまはそういうことは全然ないので、いいことだと思う。ショパンもこんなポップスターみたいに人気になって、喜ぶと思う。

    ・4台のピアノについては?

    同じピアノでもピアニストによって違いが出るので、コンテスタントがどう弾くか。どのピアノを弾いているか忘れるくらい、コンクールであることも忘れるのが理想。

    どういうことを考えて弾いているのかを、見ていくようにしている。これがスタートにならなくても、このあとスタートポイントになるかもしれない。

    ・優れたショパン演奏とは何か、最も重要な資質はなんだと思うか?

    歌があり、ショパンはオペラが好き、ベッリーニが好きで、それに伴奏がついていて、とてもコンプレックスな作曲家だと思う。複雑な中にポリフォニー、見えないところに縦の線がある、完璧な作曲家。しくみの中にある時間、歌だけでなく、オペラは言葉があって、言葉で語りかける、歌心も大事ですが、なにがそれを語っているか、それがハーモニーのストラクチャー。そういうバランス、このプレッシャーの中でそれらをどうバランスよく演奏するか、モーメンツ・オブ・グレイス、なにかその特別な瞬間、私にとってはそれがショパンです。

    ・失礼な質問ですが、亀井さんの出場、予備予選クリアできなかった理由は?

    そのときに審査をしなかったのでわかりません。

    ・今回のみなさんの演奏を聴いて、亀井さんの予備審査での演奏をどう思うか?

    私の生徒なので言えないですが、予備予選はとてもよい勉強になりましたし、身についた遺産、大きなプラスだと思いますので、ショパンの呼吸を勉強したと思いますし、そのあとの演奏に反映されているので、ヨーロッパで大事なデビューが彼は控えていますので、ドイツとフランスで控えているので、勉強したことはよかったと思う。

    ・エディションは普段なにを使っていらっしゃるか?

    → 私が参加した時はパレデフスキ版が多かった時代でした。近年はエキエルも見ていますし、いろんなものを見ています。コルトーを参考にしていて、コルトー版も好きです、いろんなものを見て研究しています。

  • 第19回ショパン国際ピアノ・コンクール闘った13人の日本人ピアニスト

    昨年開催されたショパン国際ピアノ・コンクールでは、桑原詩織さんが第4位に入賞し、大きな話題となりましたが、本予選に進出した日本人は全員が素晴らしい演奏をされました。ワルシャワフィルハーモニーホールVIP(プレス)ルームの模様を紹介します。

    西本 裕矢 第一次予選演奏終了後

    今後のご予定を教えてください。 ―留学しているカトヴィツェ音楽院の新学期が始まったところなので、まずはしっかりと学びを深め、今後のコンクールの準備をしたいと考えています。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 色彩感豊かな表現で聴衆を魅了した

    第一次予選演奏終了後 増 修史 第一次予選演奏終了後

    今後の抱負をお聞かせください。 ―作曲家、作品へのリスペクトを忘れず一つ一つの音に誠実に向かい合いながら、これからも精進して参ります。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 映しく繊細な表現は聴衆や多くのジャーナリストから絶賛された。

    中川 優芽花 第二次予選演奏終了後

    ョパンの多様性を感じさる演奏でした、その秘訣は?

    ―できる限り楽譜に忠実に演奏することをこころがけています。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC

    湧き出る感性の豊かさと緻密な演奏で聴衆を圧倒した。

    進藤 実優 ファイナル演奏終了後

    いつも集中力の高い進藤さんですが、今回は少し聴衆が聴きやすいように余白を残しているように見受けられました。

    ―はい、その点は少し意識して弾くようにしました。

    私のように障がい(筆者は左手麻痺と高次脳機能障害の障がい者である)を持つ人々に対して、ショパンの音楽はどのように寄り添うことができると思われますか。 ―ショパンの音楽は、舞曲性や癒しのある旋律など、様々な要素で、寄り添うことができると思います。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 表現の豊かさと緻密さでファイナリストの座を勝ち取った。

    桑原 志織 第三次予選演奏終了後

    インスピレーションを得るために、ショパンの自筆譜を参考にすることはありますか?

    ―はい、もちろんです。自筆譜は作曲家がどのような演奏を望んでいるのかを知ることができる尊い資料だと思います。

    ステージでは緊張感を感じさせることなく、堂々としていて、余裕さえあるように見受けられますが、その秘訣は? ―プレッシャーは皆同じですから、自分の演奏に集中するのみです。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 終始余裕と貫禄のあるエレガントな演奏で第4位に入賞。

    牛田 智大 第三次予選演奏終了後

    前回の悔しい結果から5年経って再挑戦されました。その挑戦し続ける心の原動力はどこにあるのでしょうか? ―音楽家としての自分を肯定することだと思います。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC

    美しい音色と自然な音楽の流れで、前回よりも1ステージ前進し、セミファイナリストとなった。

    Copyright: W. Grzędziński/NIFC, K. Szlęzak/NIFC 美しい音色と自然な音楽の流れで、前回よりも1ステージ前進し、セミファイナリストとなった。

  • 19回ショパン国際ピアノ・コンクール2025入賞者ガラ・コンサート記者会見

    19回ショパン国際ピアノ・コンクール2025入賞者ガラ・コンサート記者会見については、「ぶらあぼ」をはじめすでに多くの媒体、ウェブサイトでも発表されていますが、記者会見に参加させていただいた私としては、どの記事を読んでも、重要なことが文字数の事情などにより省略されているように思いました。

    ツアーはもう終わってしまいましたが、このブログで改めてご紹介させていただきます。

    ショパン・コンクールが開催されたポーランドからは、ポーランド国立フリデリク・ショパン研究所所長 アルトゥル・シュクレネル氏と、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団総裁ゾフィア・ゼンブジュスカ氏が来日、会見で挨拶した。ュクレネル所長は、前回の2021年および昨年2025年の2大会連続して、YouTubeの視聴者数が世界で日本が最も多く、日本における入賞者コンサートが、世界中で日本が最も大きな規模で充実した内容であると述べ、ワルシャワ・フィルと共演し、コンクールの雰囲気が再現されるのは日本だけであると強調した。明年2027年はコンクール100周年の記念すべき年にあたり、10月3日から世界各地で開催される記念コンサートの最初の地が東京であることを明らかにした。そして日本という国が、いかに国際的なショパン・コミュニティと音楽愛好家にとって重要な存在であるかについて言及し、。今ガラ・コンサートツアーの主催者であるジャパン・アーツへの感謝の意を表示すると共に、入賞者たちの演奏を楽しんでいただきたいと結んだ。 ゼンブジュスカ総裁は、ワルシャワ・フィルハーモニーとは、オーケストラとホールの両方のことであり、1927年のコンクール創設当初依頼、ショパン・コンクールは、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の拠点であり、歴史的建造物であるワルシャワ・フィルハーモニー・ホールにて開催されてきたこと、125年の歴史の中で、さまざまな世代の、時代を代表するピアニストの登場を目の当たりにしてきたこと、国を代表するオーケストラとしての責任について語りつつ、日本は特別な地であると述べた。各地と離国の入賞者ガラコンサートツアーは、159回目となる。日本の聴衆の音楽に対する感性、集中力、敬意に深く感謝すると述べ、ショパンの作品を素晴らしい若手のピアニスト達と同行することを光栄に思う、ワルシャワ・フィルハーモニーの伝統が、ポーランドから遠く離れた日本に伝わっていることを嬉しく思う、と、ガラ・コンサートツアーへの意気込みを熱く語った。

    昨年2025年10月にワルシャワで開催された第19回ショパン国際ピアノ・コンクールで入賞したピアニストが一堂に来日。2026年1月22日の熊本公演を皮切りに同年2月3日まで日本全国7都市8公演、韓国で開催されるショパン国際ピアノ・コンクール2025入賞者ガラ・コンサートに先立ち、駐日ポーランド共和国大使館にて来日記者会見が開催された。優勝者のエリック・ルーをはじめ、計6名が登壇した。直近のショパン・コンクールの入賞者が来日するということで注目度は高く、各社ジャーナリストが集結して会場は満席となった。会見は入賞者を称える終始和やかな雰囲気で行われた。最初にポーランド広報文化センターウルシュラ・オスミツカ所長、今ガラ・コンサートツアーの主催者であるジャパン・アーツの代表取締役社長 二瓶純一氏、ポーランド国立フリデリク・ショパン研究所所長 アルトゥル・シュクレネル氏、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団総裁ゾフィア・ゼンブジュスカ氏の順で挨拶した。注目の質疑応答では「受賞後3カ月を経て見える世界は変わったか?」、「今次回の出場者へのアドバイスは?」、「ショパンで最も好きな作品は?」、「日本のピアノに対する印象は?」などの質問が寄せられた。

    檀上右端のエリック・ルーから順に回答され、ひとりひとりが真摯な姿勢で応えつつ、時折顔を見合わせたり、微笑みあうなど、共に厳しいコンクールで戦った仲間としての意識を感じさせた。

    【質疑応答】

    • 「「受賞後3カ月を経て見える世界は変わったか?」

    ルー:私自身の人生を変えてくれたとともに、音楽的な世界観も大きく変わりました。

    チェン:ショパン・コンクールのような要求度と注目度の高いコンクールを経験したことで、これまでよりもいっそうショパンに近づくことができました。

    ワン:私の人生の大きな転機となったことは間違いありません。世界中の音楽ファンの皆様に見守られていることをひしひしと感じましたし、特に日本の視聴者の皆様のサポートに感謝しております。

    桑原: 私の人生の大きな転機となりました。この記者会見をはじめ、さまざまな機会をいただいていることに感謝しております。コンクールの前には想像もできなかったことです。

    アレクセヴィチ:私にとって大きなターニングポイントとなったことは間違いありません。。

    オン:アーティストであることがどんなに素晴らしく、そして、どれほど困難であるかをひしひしと実感しています。なぜなら、ビジネスマインドや、時には歴史等、研究者や学者並みの幅広い知識なども要求され、将来を見据えた視点も必要だということをコンクールで学びました。まさか自分がこのような立場でここに立つということは想像もしていませんでした。

    • 今次回の出場者へのアドバイスは?」

    ルー:ものすごいプレッシャーの中で自分の演奏を披露しなければならないため、精神的にキツイものです。いろいろなことを無視して音楽だけに集中することが一番だと思います。

    チェン:ショパン・コンクールは世界中から注目されており、ドキュメンタリーやインタビューなどさまざまなことがあるので、それらを踏まえて自分らしく演奏することはとても難しいことなので覚悟しておいてください。

    ワン:アドバイスを無視しろ、ということがアドバイスです(会場から笑い)。自分のことを信じて自分の音楽を奏でる、ということが第一です。

    桑原:体調管理がもっとも重要です。

    オン:アーティストであることがどんなに素晴らしく、そして、どれほど困難であるかをひしひしと実感しています。なぜなら、ビジネスマインドや、時には歴史等、研究者や学者並みの幅広い知識なども要求され、将来を見据えた視点も必要だということをコンクールで学びました。まさか自分がこのような立場でここに立つということは想像もしていませんでした。

    アレクセヴィチ:とにかく自分に忠実に、自分を信じて、自分のやっていることに確信をもっていただきたい、ということです。そうでなければ自分の個性というものを人に伝えることはできません。同じショパンの作品でも《ソナタ》と《マズルカ》の違い、前期と後期の作品の違いを明確に表現して、聴いてくださる方に自分の音楽を伝えることが重要だと思います。

    オン:常に好奇心を持つということです。人生には何が起こるかわからないので、何かチャンスがあれば、恐れずにつかむことです。どのようなことからも学ぶチャンスがあります。

  • ショパンの心臓

    ショパンの心臓”が埋まっているワルシャワ「聖十字架教会です。

  • 多田純一 音楽ライター、ショパン研究

    これまでに著書『日本人とショパン』、『日本最初のショパン弾き澤田柳吉』を出版、「月刊ショパン

    」、「音楽之友、」モーストリークラシック」、「ぶらあぼ」の各誌にて記事執筆

    ショパン作品の演奏や、ピアニストについて紹介します。